インフルエンザ予防接種の効果

冬の流行期を前に各医療機関が呼びかけを行っているインフルエンザの予防接種。毎年、数種類のウイルス株を選択してインフルエンザワクチンは作られています。予防接種には、感染を防止したり、症状を軽く抑えたりするなど、身体に免疫をつけさせる効果があります。この数種類というのは、その年に流行しそうな株を予想することで決定されますが、ワクチンによって出来た免疫はこの予想されたウイルスにしか効果を発揮しません。そのため、予想とは違うウイルスが流行してしまうと、たとえインフルエンザの予防接種を受けていたとしても違うウイルスの免疫は出来ていないので、症状が重く出る場合があります。

また、免疫が獲得されていたとしても完全に感染を防止することは出来ません。インフルエンザウイルスは最初に気道の上皮細胞に感染することによって人体へ侵入し、それから増殖を繰り返して他の細胞へ侵入、増殖を繰り返すというパターンで症状を引き起こしていきます。免疫がインフルエンザの動きをブロック出来るのは増殖を繰り返している段階あたりであり、しかも完全に抑え込めるわけではないのです。

予防接種していないときに比べれば格段に体内に蔓延するウイルス量は減少しますが、少なからず存在しているので少し発熱したり、鼻水などの上気道症状が現れます。これらの症状があるうちは、他人へ伝染させてしまう可能性があるので、不要不急の外出は避け、症状が治まってから2日は自宅で安静にしておくことが重要です。